大手電機会社を辞めて、実家の自営業を継いで早4年。
大企業の安定を捨てて、零細企業の社員となった感想を投稿したいと思います。
今いる会社を辞めようか悩んでいて、この記事を読んでくださっている方もいるかと思います。
安心してください、、、目を凝らして読むような重要情報は、大してありませんよ!
自営業をするというのは、転職するより勇気が要ることだと思います。
もちろん人それぞれ自営業を始める理由は、「副業が軌道に乗り始めた。」、「とりあえず今の会社を辞めたい。」、「会社員という働き方が合わない。」等など、様々だと思います。
私の場合は、実家の父親が悪徳リース会社に騙されていいたので、しょうがなく家業を継いだというのが大きな理由です。
私が務めていた会社を辞める時に一番大変だったことは、嫁を如何にして説得するか?でした。
反対する嫁&嫁の両親の説得に2年程掛け、やっとのことで会社を辞めました。
そう、世間で言う「嫁ブロック」を正攻法で壊すのに2年要したということです。ベルリンの壁ほど強固な壁ではありませんでしたが、私の人生で数少ない、策に策を練った戦略で崩壊させて頂きました。
ネットで、「嫁ブロック」、「嫁説得」、「会社辞める+嫁説得」等など、様々な検索ワードで検索しても、良い解決策や事例などが見つからず、途方に暮れました(ネットに頼りすぎる現代人の弊害)。
また、友人に相談しても、「知り合いに同様のケースの人がいたけど、最終的には離婚したよ。」という回答しか返ってきませんでした。
結局は、自分で今までの嫁の考え方、こういう事を言ったらこういう回答が来るであろうシュミレーションを脳内で何千回と重ね、やっとのことで納得してもらいました。
離婚するならすぐ決着がつくのかもしれませんが、、、いや、別途離婚手続きなどの問題が発生して、さらに大変かもしれません。
しかし、私のような人間をもらってくれる嫁はそうそういないので、何とか説得するしかなかったのが、正直なところかもしれません。
さて、
本題の「大企業の安定を捨てて、零細企業の社員となって思ったこと」について参りましょう。
大手電機会社を辞めた理由
まず最初に大手電機会社を辞めた理由からですが、大きな理由は、冒頭にお話しした通り、
私の場合は、実家の父親が悪徳リース会社に騙されていいたので、しょうがなく家業を継いだというのが大きな理由です。
私は、関西で会社員をしており、実家は関東で何か助けるにしても物理的に無理なので、腹を括って「親父と一緒に働く」という道を選びました。
独身であれば、気軽に辞めれたのですが、結婚していると嫁ブロック等もありそう簡単にはいきません。しかし、結婚して自分に子供ができ、子育てをしてみて、はじめて親への感謝の気持ちが芽生え、親に恩返ししなければという気持ちになったという反面もあります。結婚、、、大変な時もありますが、悪くないですよ。
私が勤めていた大手電機会社は、ブラック企業ではありませんでしたが、かといってホワイト企業とも言えないグレー企業でした。
有休もほぼ消化できますし、給料も世間の平均以上でしたので、そこまで悪くはなかったと思います。
ただ、グレー企業たる所以は、大きく2つの理由からです。
まず理由その1は、残業時間が長いことでした。
週一回定時退社がありましたが、それ以外の業務終了時間は、大体夜10時が多かったので結構しんどかったのもあります。そして、仕事をやればやるほど手が空いた?といって新たなプロジェクトがあてがわれる状態でした。一方、特に大した仕事を抱えていないのに忙しそうにして、何もやらないおじさん方も多々いました。こういう方にとっては、私のいた会社は天国かもしれません。
理由その2は、会社の人事考課が何とも言えず、あまり技術がなく、自分のことを棚にあげたパワハラチックな方でも要領よく他責にして、役員とうまくやっていければ役職が上がっていく風潮がありました。
そして、私はそのような方々のようには振舞えず、昇進はないなとも考えていました。
その上、前述のような条件に合致し、将来的に役職が上がっていきそうな同僚がおりました。
もし、自分が出世せずに定年退職を迎える時、そんな同僚が上司になっていて、「お疲れさん!」と言われて肩を叩かれる最終出社日を考えたら、恐らく後悔するだろうというビジョンが私の頭の中でチラつき始めていました。
ですので、このまま会社で替えの利く駒として消耗しながら働く事と、実家の稼業を継ぐ事とを天秤にかけた時、後悔なく自分の力を試せる自営をしてみたいという結論に至る後押しにもなりました。
自営業をやってよかったこと
大企業を辞めてよかったことは、大きく下記6点です。
- 毎晩家族で夕ご飯を食べられる
- 嫌な人間関係は断ち切れる
- やりたくない仕事は極力やらなくて良い(バランスに注意)
- 自分のペースで仕事ができる
- 比較的健康的な生活を送れる
- 気兼ねなく株式相場のザラ場が見れる
特に、「1.毎晩家族で夕ご飯を食べられる」は、実際にそうなってみて初めて良いものだと感じました。嫁&子供とその日あった出来事を笑いながら話し、飯を食らうという行為は、いつの間にか私にとってのかけがえのない時間だという事を認識させてくれました。
まぁ会社勤めの時でも土日祝日は、一緒にご飯を食べてはいたのですが、常に疲労困憊気味でしたので、楽しむ余裕はありませんでした。
そして、「2.嫌な人間関係は断ち切れる」と「3.やりたくない仕事は極力やらなくて良い」については、嫌な人ともうまくやらないといけない、これやる必要ある?という仕事を業務だと割り切り無理にやってきたことは、後になって結構なストレスだったことがわかりました。
結果、「5.比較的健康的な生活を送れる」ようになり、慢性的な肩こり、寝不足から解消されました。
「6.気兼ねなく株式相場のザラ場が見れる」については、自営業で就業中に株の板ばかりを見ていると、廃業することになるかもしれません。
大企業を辞めたことによるデメリット
大企業を辞めたことによるデメリットは、大きく下記5点でしょうか。
- 収入に対しての不安
- 人との交流がなくなる(優秀な人の仕事の仕方が学べない)
- 最先端の情報が入りづらくなる
- 自分の携わった製品を多くの人に見てもらえなくなる
- 大企業の社員であるブランドがなくなる(ローン等の信用の問題)
「1.収入に対しての不安」は、よく言われることですが、がむしゃらに仕事をやるしかありません。
「2.人との交流がなくなる(優秀な人の仕事の仕方が学べない)」は、結構重要かもしれません。
私の父は、最初から自営業しかしてないので、仕事の進め方がめちゃくちゃです。
これが許されるのが自営業なのですが、大企業という大きな組織の中にいる事で、優秀な人間の仕事の仕方、段取り、考え方等、大いに学ぶ機会があると思います。
しかし、自営の場合、基本は孤独に頑張るしかありません。
また、大企業にいると多くの取引先があり、各社の最新の情報が集まりやすいです。しかし、自営業になると、「3.最先端の情報が入りづらくなる」事が多い気がします。
「4.自分の携わった製品を多くの人に見てもらえなくなる」、「5.大企業の社員であるブランドがなくなる」は、説明するまでもないでしょう。
親戚・友人に勤めてる会社と開発した製品の話になると、「すごいですね。」と言われます。ちょっとドヤ顔できます、、、ただそれだけです。Facebookの「いいね」みたいなもので、実利をもたらしてくれることはあまりありません。強いて言うならば、もしあなたが結婚する時、相手の両親や親族への印象は良くなるでしょう。
辞めて思ったこと
大企業を辞めて自営業になることは、大きな決断が必要かと思います。
福利厚生、庶務関係含めすべてを自分でやらないといけないことになりますので、まるで荒野に放り出される覚悟で決断したつもりです。
そして、転職でも同じことが言えますが、自分の人生がどうありたいかという考えるきっかけになるのではないでしょうか。
私は、心にゆとりを持って何気ない日常である「毎晩家族で夕ご飯を食べられる」という事は、幸せでかけがえのない時間だという事を考えさせられました。
仕事も死ぬ気でやりますよ。全部自分に返ってきますから、、、。
そして何より重要なのは、嫁の説得です。
関西出身で義父も立派な大企業に勤めていたので、「自営は論外」と言っていた嫁を根気強く説得することは、相当骨が折れました。
関東に引っ越してきた当初は、いろいろと文句を言っておりましたが、今となっては何だかんだ楽しんでいるようです。
お金を取るか?自由を取るか?
いえいえ、何かを得るのに何かを失うトレードオフという考え方は、私は嫌いです。
可能な限りベストを尽くし、両者獲得を目指すべきでしょう。
もし、実家の問題がなく、働いてる会社に不満があるだけならば、まずはピュアホワイト企業(本当にあるかわかりませんが)を目指して転職するという手段が、ベストだったのかと思います。
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